タイムカードと賃金台帳

タイムカードと賃金台帳、どちらもきちんと保存していますか?

数回にわたって、スタッフさんの勤務時間や賃金に関するルールを確認してきました「店長のための法律講座」。

 

今回はスタッフさんを雇用している店長さんであれば必ず目にするタイムカードと、作成が義務づけられている賃金台帳について、それぞれの役割と内容を確認していきましょう。

 

タイムカードが命綱! スタッフさんの勤怠管理のすべてがここに!

 

タイムカードを利用する目的は、スタッフさんの勤務時間を正確に把握することにあります。

 

タイムカードに記録された、出勤日、出勤・休憩・退勤時間によって、スタッフさんの給与が決まります。給与計算を進めるためには、正確な勤務時間が記録されたタイムカードが必要なのです。

 

勤務の開始時間ギリギリにお店に到着したスタッフさんが、「出勤だけ押しておいて、お願い!」とバイト仲間に声をかける光景もたまに見受けられますが、これは1秒の遅れが、給与計算に影響することがわかっているからですね(時間には余裕をもってシフト入りしましょう)。

 

お店の混雑で、休憩終了後の勤怠打刻が出来なかったスタッフさんから、「店長、休憩時間の修正をおねがいします!」と相談されることもあるでしょう。勤務時間は、勤務実態と給与計算に関わることですので、勤怠管理はその日のうちに記録・訂正することを徹底していきましょう。

 

ちなみに、タイムカードと聞いて、タイムレコーダーに厚紙用紙を差し込んで打刻する姿をイメージして「初期費用が高くて導入できない。苦手な表計算ソフトで管理するしかない」と肩を落とす店長さんも多いのでは?

 

でも、安心して下さい。スタッフさんの勤務日と勤務時間がきちんと記録されれば、厚紙のタイムカードである必要はありません。表計算ソフトで管理するのも一案ですが、最近は、POSレジや会計ソフトと一体型の勤怠システムなど、幅広いニーズにこたえた勤怠管理システムが開発されているようですよ。

 

勤怠管理は店長さんの業務の上でも、会社を運営していく上でも、とても大切な業務のひとつです。時間をかけずに管理できるツールやソフトを導入するのもよいかもしれないですね。

 

賃金台帳の作成も法律で義務づけられています

 

「月末は棚卸が多いから賃金台帳の作成は後回しにしよう」なんて経験、心当たりがありませんか?

 

賃金台帳は、労働基準法で作成と3年間の保存が義務づけられている法定3帳簿と呼ばれる書類のひとつです(実はタイムカードも法定帳簿(出勤簿)のひとつ。残りひとつは労働者名簿です)。給与支払い後、時間をおかず、すぐに作成することが求められています。

 

フォーマット通りにひたすら入力している店長さんも、本部の経理部門から送られてくるデータをとりあえず保存している店長さんも、ここで賃金台帳の役割と内容を確認してみましょう。

 

記載すべき8つの項目

 

賃金台帳には、賃金の支払いが発生した一人のスタッフさんにつき、これら8つの項目を必ず記載しなければなりません。

 

(1) 氏名

(2) 性別

(3) 賃金計算期間(何月分の賃金なのか、あるいは いつからいつまでの賃金なのか)

(4) 労働日数

(5) 労働時間数

(6) 残業時間・休日・深夜労働時間数

(7) 基本給・各種手当・その他賃金ごとの金額

(8) 税金や社会保険料などの控除の金額

 

入社年月日、住所の記載は義務づけられていません。入社年月日や住所は、労働者名簿(先に説明した法定3帳簿のひとつ)で記載が義務づけられています。

 

ただ、これらを記載しておくと、スタッフさんの情報がほとんど網羅された書類となるのでなにかと便利です。引き継ぎや、古い情報を見直すタイミングで、たくさんのファイルを広げる必要もなくなりますね。ですから、賃金台帳と労働者名簿を一つにまとめて作成・保存している場合も多いのです。

 

賃金台帳は給与明細のコピーでいいの?

 

「あれ、賃金台帳に記載すべき項目は、スタッフさんに渡す給与明細の項目と被っている。給与明細を賃金台帳として管理してはいけないの?」と、不思議に思った店長さん。

 

たしかにそのとおりで、賃金台帳に記載すべき8つの項目すべてが給与明細に反映されているのであれば、問題はありません。しかし、給与明細に性別等は通常記載されていません。所轄の労働基準監督署から賃金台帳の提出を求められたときに給与明細を提出して、8つの項目に不足があり、実際に、是正指導等を受けてしまうこともあるようですよ。

 

そして、1年間の給与が記載される源泉徴収票(年末調整業務)の発行や、社会保険関連の手続きでも、賃金台帳は活躍します。スタッフさんとの雇用関係を適切に管理する必要不可欠な書類だからこそ、作成が義務づけられているんですね。

 

スタッフさんの勤務時間を勘違いしたり、給与計算を間違ってしまうと、スタッフさんとの信頼関係を一気に崩しかねません。せっかく働きやすい職場をつくっても、勤怠管理がずさんでスタッフさんのモチベーションが下がるのはもったいないですよね。

 

店長さんだけで対応することが難しい場合は、経理スタッフさんや、外部の社会保険事務所さんなどと連携しながら、安心して働ける職場をつくっていきましょう。

 

■労働基準法関係主要様式の一覧はこちら

http://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/roudoujouken01/

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