
やる気研究所 第九回「立ち直り方」
「アルバイトさんがなかなか言うことを聞いてくれないけど、どうしたらいいんだろう」
「いろんな工夫をしているのに売上が増えない…でも次の打ち手も考え付かない」
お店を引っぱる立場の店長さんも、ひとりの人間。
落ち込んだまま気持ちを切り替えられなくて困ることもあるのではないでしょうか。
そんな悩みを抱える店長、吾郷豪(あごう・ごう)が「やる気」のプロに“解決のヒント”を聞きにやって来ました。
向かった先は、日本初「やる気」を科学する、東京未来大学モチベーション行動科学部の学部長、角山剛(かくやま・たかし)先生の研究所です。
落ち込んだ気持ちのままリーダーは務まらない。
店長 飲食店の経験はないけど、明るく接客ができる学生のアルバイトさんがいたんです。期待もあって厳しく指導していたんですが、どうやら逆効果だったようで。先日お店を辞めてしまいました。
どうすればよかったんですかねぇ…。はぁ~
先生 おやおや、深いため息ですね。お店を引っぱっていく店長さんは、気持ちを切り替えることも大切な仕事のひとつですよ。
店長 分かってはいるんですが、これがなかなか難しくて。先生、何かアドバイスはありませんか?
先生 そうですね。ちなみに吾郷さんは、落ち込んだ時はいつもどうしているのですか?
店長 大好きなロックをガンガン聴いたりします。その時は忘れられるのですが、また仕事に戻ると思い出してしまうんですよね。
行動が、気持ちを変えてくれる。
先生 なるほど。結局、仕事での失敗は仕事を通して乗り越えるしかないのかもしれませんね。ではひとつ、ヒントをあげましょう。気持ちを切り替えるための行動をとってみてはいかがでしょうか。
店長 どういうことですか?
先生 例えば、落ち込んだ時ほど人に声をかけて指示を出してみるんです。
普段、自信を持ってやっている時には「どうやって人を動かそうか」と考えていますよね。その手段として「指示を出す」という行動をとっていると思うんです。
店長 なるほど。
先生 自信がない時はそれを逆からやってみるんです。
リーダーとしての自信を無くしている時にこそ、先に「指示を出す」という行動をとってみる。指示を出すためには「人を動かす」ことを考えなくてなりません。またそう考えるためには落ち込んだままではいられない。
つまり、リーダーとして自信を取り戻さなくてはならない状況に自分自身を追い込むんです。
店長 なんだか、自分を騙しているみたいですね。
先生 そうかもしれません。本当は自信がないのに、自信がないとできない行動をとって自分を騙す。そんな立ち直り方を知っていることもリーダーである店長のスキルといえるでしょう。
うまくいった時のことをイメージする。
店長 なるほど。自信がない時こそ、自信がある時のような行動をとり、行動から気持ちを変えていくんですね。
先生 その通りです。
店長 では、うまくいった時にもっとやる気になる方法はありますか?
先生 いい質問ですね。落ち込んでいる時にこそ、うまくいった時のことを考えるべきです。そうですね。うまくいった時は自分にご褒美をあげてみてはいかがでしょう。
店長 例えば、売上達成したらいつもよりいいお酒を買って帰るとか?
先生 吾郷さん、お酒が好きそうですもんね。
店長 大好きです! 楽しみな目標ができたら、やる気が出てきました。
先生 吾郷さん、本当は切り替え上手なんじゃないですか?
これからもがんばってくださいね!
~立ち直り方編~
● 落ち込んだ気持ちのままリーダーは務まらない。
● 行動が気持ちを変えてくれる。
● うまくいった時のことをイメージする。
角山剛(かくやま・たかし)先生
東京未来大学 モチベーション行動科学部 学部長
モチベーション研究所所長
<東京未来大学 モチベーション行動科学科とは>
心理学をベースに、人のやる気「モチベーション」の生み出し方を研究する日本初の学部。企業や地域の協力のもと、組織やチームの中で、いかに目標に向かってメンバーの心に火をつけるかを実践的に学びます。通信教育課程では、多くの社会人学び、リーダーとしての資質を磨いています。
吾郷豪(あごう・ごう)
リクルートジョブズが運営する、店長応援サイト『店長AGOGO』のキャラクター。世の中の悩める店長さんに代わって角山先生にお困りごとや疑問を投げかけます。
年齢:30歳
仕事:東京都にある居酒屋の店長。店長歴3年目。
休日の過ごし方:寝る、スマホゲーム、SNS
最近の悩み:アルバイトの学生とのジェネレーションギャップ
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