醍醐前篇 タイトル画像

先人の知恵を訪ねて 〜見習い店長さんたろうの聖地巡礼〜 3話前編 『高円寺 レストラン醍醐』

前回、『和田屋』の大将から、「人付き合い」と「覚悟を持つこと」の大切さを学んださんたろう。

 

親父さんの「ガマの店」を継ぐか、自分の店を持つか。

 

新たな悩みを抱えながら、今日も聖地巡礼の旅を続けています。

 

どこか懐かしき純情商店街。階段の先に、その店はあった

 

阿佐ヶ谷を旅立ったものの、ワシはピョコピョコあてもなくさまよっていたんじゃ。

ワシはこのまま「ガマの店」を継いでしまってもええんじゃろうか?

 

ぐるぐる考えながら跳ねていると、そこは高円寺じゃったんよ。

目の前には「高円寺純情商店街」のアーケード。

こがぁなところまで来とったんか。

 

初めて来たにもかかわらず、街に懐かしさを感じたワシは、アーケードの中をまっすぐ跳ね続けていくと、ネオンに輝く『DAIGO』の文字を見つけたんじゃ。

 

ふと横を見ると、そこには上に続く長い階段が見えとった。

ワシは興味の赴くまま、気づいたらその階段を上っとったんじゃ。

店は赤を基調とした、昔ながらの洋食屋といったような空間が広がっとった。

 

マスターさん(以下、マ) 「いらっしゃいませ。一名様ですか?」

 

さんたろう(以下、さ) 「ハイ、一名で頼みますけぇの。」

 

もらったメニューを見てみたら、ハンバーグやオムライス、エビフライと、好物ばかりで選ぶのに迷ってしもぉた。

その中でワシはビールとオムライスを頼んでみたんじゃ。

 

マ 「お待たせしました。オムライスです。」

オムライスお待たせしました

さ 「いただきます…ケロ! うまい! これはなんの甘みじゃろうか。。おぉ、ライスの中にレーズンが入っとる。」

 

レトロな店内で食べるオムライスは、懐かしくも上品な味。

ワシはマスターが今もここ高円寺で昔懐かしい洋食店を続ける理由が知りたくなったんじゃ。

オムライス

 

仕事への熱意が、自分を助けてきた

 

さ「マスター、この店はいつからやっとるんかいの?」

 

マ 「もう34年になりますね。」

 

さ 「ケロッ! えらい長いんじゃな! それなら、マスターはいつからコックをやっとるんじゃ?」

 

マ 「そうですねえ、もう50年くらい前になりますか。

 

いま新宿アルタがある場所は、昔は『二幸』というお店だったんですよ。

 

そこにあった食堂でフロアスタッフのアルバイトを始めたのが最初でしたねぇ。」

 

さ 「ケロロ? 最初はコックじゃなかったんか?」

 

マ 「はい、でもその時から料理人の仕事が気になっていて、休憩時間になると、いつも厨房の様子を覗いていましたねぇ。

 

その姿を見ていたのか、チーフが『こっちの仕事をやりたいのか?』 って聞いてくれて、そこからキッチンの仕事を始めるようになりました。」

 

さ 「ケロ…。そんなことってあるんじゃのぉ。」

 

マ 「そこでは、他の店に行っても困らないようにと、様々なことを教えてもらいましたよ。

 

仕事をすればするほど技術を覚えられると思っていたので、決まった出勤時間より早く来て先輩の仕事を先に片づけて…

 

それでできた時間を使って先輩に仕事を教わったりもしていました。」

 

さ 「ケロ…すごい熱意じゃ。ワシも親父さんに対して、そこまではできんかったのぉ。」

 

マ 「『二幸』には7〜8年いたのですが、今思えばそれが修行期間でしたね。

 

まさに他所に行っても困らないような、何でもできるコックになっていました。

 

そのあと2箇所、8年ほど船の上で料理人の仕事をしていたのですが、どちらも10ヶ月ぐらいで料理長を任されましたねぇ。」

 

さ 「スピード出世じゃな!」

 

マ 「そのあとは帝国ホテルで2年、六本木のステーキ屋で1年ちょっと働いていました。

 

『二幸』で学んだことはどこでも通用することが分かりましてね。

 

当時の修行はいまでも私の財産だと思いますよ。」

 

さ 「修行時代の周りから吸収しようとする熱意が、後々役に立ったっちゅうことじゃのぉ。」

 

マ 「はい。もちろん、今でもその気持ちは忘れていませんよ。

 

逆に店長の立場になって、周りの人に自分と同じようにやれと言えないのが歯がゆくもありますね…。」

 

さ 「ケロ…す、すごいお人じゃ…。

 

この人なら、このレストラン醍醐を開いたのにも何か信念を持っていそうじゃのぉ。

 

長く愛されるお店を続ける秘訣を知ってそうじゃ!」

 

 

(高円寺 『レストラン醍醐』編 中編へ続く)

和田屋

【お店の紹介】

創業34年。純情商店街の老舗洋食店。

高円寺『レストラン醍醐』

●住所 東京都杉並区高円寺北3-24-10

●営業時間 10:00~24:30 (日曜のみ~23:00) 木曜定休

 

 

 

 

 

 

さんたろう プロフィール

さんたろう

店長応援サイト『店長AGOGO』のキャラクター。

年齢:?才

出身地:広島・宮島育ち

生い立ち:宮島一のもみじ饅頭職人を父に持つ。

夢:父親の背中を追い、自分の店を持つこと。
一念発起し、一年間、日本の隠れた老舗・名店をめぐる修行をしている。

 

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